三菱自動車は、4月をめどにSUV「RVR」の生産を終了する。RVブームの中で1991年に投入した初代は乗用車とミニバンを融合した新カテゴリーの車種として販売。その後、2度の全面改良を行ったが、足元では競合するSUVの増加などで販売は低迷していた。規制対応のコストをかけるほどの販売が見込めないため、生産・販売を打ち切る。

 3代目となる現行車は2010年に発売した。当初は岡崎製作所(愛知県岡崎市)で生産していたが、17年には国内工場再編の一環で軽自動車を生産する水島製作所(岡山県倉敷市)に生産が移された。4代目も開発していたが、燃費不正問題などの事業環境の変化もあり、開発は頓挫。23年2月にはエントリーグレードに安全装備を追加設定するなどの改良も行ったが、23年1~12月の販売台数は1373台にとどまっていた。

 三菱自は22年12月にコンパクトハッチバック「ミラージュ」の生産も終了している。小型車のラインアップは縮小するが、当面はRVRと同じ車格の「エクリプスクロス」を活用して小型登録車の需要を取り込む。