ビッグモーターの整備工場

 損害保険各社で構成する損害保険料率算出機構(早川眞一郎理事長)は、ビッグモーター(和泉伸二社長、東京都港区)による自動車保険金の不正請求の実態を調査することを明らかにした。同機構は損保各社が自社の保険料率を算出する基礎とする「参考純率」を算定している。同社による水増し請求で参考純率が上昇、自動車保険のすべての契約者が支払う保険料が割高になった可能性がある。同社と損保各社の調査で不適切な請求が判明した場合は、損保側に同機構への報告を求め、今後の参考純率の算定に反映するとしている。

 同機構は会員の損保各社から集めた契約・支払いデータに加え、外部データも活用して自動車保険の参考純率に当たる「純保険料率」を算出し、損保各社に提供している。これまで示した参考純率に、ビッグモーターが車体を工具やゴルフボールで故意に傷を付けるなどして不正に水増し請求した金額の影響度合いを調査していくとみられる。

 また、ビッグモーターの不正請求が、対人賠償のみを補償する自動車損害賠償責任保険(自賠責)の基準料率に与える影響はないとしている。

 同社と保険代理店契約を結んでいたのは計7社で、大手が損害保険ジャパンと三井住友海上火災保険、東京海上日動火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険。中堅が共栄火災海上保険とAIG損害保険、日新火災海上保険。