いすゞ自動車とUDトラックスは29日、共同開発した新型トラクター(けん引車)を4月4日に発売すると発表した。いすゞは「ギガ」、UDは「クオン」の新型車として両社のディーラーで扱う。2021年4月、UDがいすゞ傘下になってから初めての商品領域の協業となる。

 クオンの車体などをベースに両社で新開発した。主に海上コンテナなどを運ぶ「4×2」(前1軸/後1軸)タイプと、重機などを運ぶ「6×4」(前1軸/後2軸)を用意した。

 パワートレインは、UD製の排気量11リットル/13リットルのディーゼルエンジンに電子制御式トランスミッション「ESCOT(エスコット)」を組み合わせる。UDが大型トラックに採用する「アクティブステアリング」もトラクターとして初採用し、運転手の負担軽減につなげる。UDの本社工場(埼玉県上尾市)で生産する。

 同日、UD本社で開いた新型車発表会で、いすゞの大平隆専務執行役員とUDのダグラス・ナカノ開発部門シニアバイスプレジデントは、協業によるメリットを強調した。UDにとっては、量産効果で13年ぶりに6×4モデルを追加できた。一方のいすゞは、現行車に比べ排気量が小さく、積載量が多いトラクターを追加できたという。4月1日から社長を務めるいすゞの南真介専務執行役員も「今回の発表は、両社の協業を象徴する第一歩だ」と語った。

 両社は、24年以降にプラットフォームを共通化した大型トラックを発売する予定。トラックの開発や生産の役割分担については明らかにしていないが、互いの強みや量産効果を生かし、商品力を高めていく考えだ。