ダイハツ工業は1日、同社初のシリーズ式ハイブリッドシステム「eスマートハイブリッド」を搭載したハイブリッド車(HV)モデルの設定など小型SUV「ロッキー」を一部改良し、同日に発売したと発表した。新開発の1.2リットル3気筒エンジンを発電用に使いモーターを駆動するHVの燃費(WLTCモード値)は28.0キロメートル/リットルを達成。ロッキーを皮切りに今後は軽自動車にもHVモデルを設定する。トヨタ自動車にOEM(相手先ブランドによる生産)供給する「ライズ」もHVモデルの設定など一部改良した。

 eスマートハイブリッドは、1.2リットルエンジン(WA型)で発電した電力を使用し、100%モーターで走行するシリーズ式を採用。シンプルな構造で、2つのモーターを並列配置したトランスアクスルや容量4.3アンペア時のリチウムイオン電池とともにコンパクト化した。モーター駆動ならではのレスポンスの良い加速性能と静粛性を実現し、アクセル操作のみで車速をコントロールできる「スマートペダル」はノーマルとエコの2種類のモードが選べる。

 新型1.2リットルエンジンは、高タンブルストレートポートと薄型バルブシートのほか、デュアルポートと低ペネトレーション噴霧などの採用により最大40%の熱効率を実現した。新型エンジンは2WDのガソリン車にも搭載し、既存の1.0リットルターボエンジンは4WD車に継続採用することで3つのパワートレインを展開、幅広いニーズに対応する。

 予防安全装備「スマートアシスト」の進化も図った。ダイハツ車最多の19個の予防安全機能を搭載し、電動パーキングブレーキを採用した。HVモデルは外部給電機能をメーカーオプション設定する。

 車両開発を担当した仲保俊弘エグゼクティブチーフエンジニアは「1ミリメートル、1グラム、1円を削ることにこだわりトータルコストを低減した」とコンパクトSUVのHVモデルでクラス最廉価を実現した要因を述べた。

 月間販売目標はロッキーが2000台、ライズは4100台。HV比率はロッキーが35%、ライズが40%を見込む。価格はロッキーが166万7000~234万7000円、ライズが170万7000~232万8000円(消費税込み)。