佐川急便とASFが共同開発する小型EVの車両イメージ

 物流企業や自治体が事業用車両を電動化する動きが活発化している。佐川急便と電気自動車(EV)の開発などを手がけるASF(飯塚裕恭社長、東京都港区)は小型EVを共同開発し、今後、配送用で数千台規模の置き換えを狙う。需要増を見据え、いすゞ自動車が2022年度に小型電気トラックを量産、発売するほか、中国のBYDも国内のコミュニティーバスの電動化に商機を見い出し、受注拡大を目指す。脱炭素化の機運の高まりを受けこれまでニーズが少なかった状況から一転、商用車の電動化が加速しそうだ。

 日本の二酸化炭素(CO2)排出量に占める運輸部門の割合は約2割とされている。日本政府は50年までのカーボンニュートラル実現を打ち出し、商用車についても今夏をめどに方向性を示す方針。

 商用車の電動化を巡っては、航続距離や充電時間などで内燃機関車に比べて使い勝手が悪くなるとの懸念もあり、需要も少なかった。ただ、最近は脱炭素化の動きに伴う環境意識の高まりから事業用車両をEV化する動きが出ている。

 佐川急便とASFは昨年6月に小型EVの共同開発を発表した。EVベンチャーのFOMM(鶴巻日出夫代表取締役、川崎市幸区)から技術協力を受けて事業を進める。佐川急便は配送用の軽自動車を今後数千台規模でEVに置き換えていく方針で、配送時のCO2排出量を削減する。

 ニーズの高まりを受け、商用車メーカーも電気トラック・バスの提案を強化する。いすゞは、これまで電気トラックは物流事業者へのモニター提供にとどめてきたが「世界的なゲームチェンジ」(片山正則社長)と状況が大きく変化していることを踏まえ、22年度に小型電気トラックの量産車を発売する計画。また、小型電気トラック「eキャンター」をすでにリース販売している三菱ふそうトラック・バスも、地球環境保護の取り組みに力を入れているEコマース企業や家具販売大手などですでに導入実績があるという。

 中国のEV大手BYDの日本法人ビーワイディージャパン(劉学亮社長、横浜市神奈川区)は、自治体を中心に引き合いが増えていることから、30年までに国内の電気バス普及台数を4千台まで引き上げる方針。花田晋作副社長は「当社の小型電気バスは相当金額的な優位性があるし、導入しやすい車両なので数字的に伸びるのではないか」とみる。