JFEスチールは、子会社のJFEケミカルが中国宝山鋼鉄の子会社である宝武炭材料科技と中国でリチウムイオン電池向け負極材を合弁生産することで合意したと発表した。電動車両の需要拡大が見込まれる中国で、車載電池の材料を生産して事業の拡大を図る。

JFEケミカルが40%、宝武炭材が51%、興和県天和炭化が9%をそれぞれ出資して人造黒鉛系の負極材を製造する合弁会社「烏海宝傑新能源材料」を設立する。資本金は2億6000万元(約38億1000万円)。中国内モンゴル自治区の烏海市にある宝武炭材の炭素事業の隣接地に約73億円を投じて負極材工場を建設する。生産能力は年間1万トンで、2020年後半に営業運転する予定。

原料ニードルコークス製造設備を保有する宝武炭材と、負極材の開発・製造・品質管理ノウハウを持つJFEケミカルが内モンゴルの安価な電力を使ってコスト競争力のある負極材を製造する。

JFEケミカルは、今回の宝武炭材との合弁事業で、中国で日系・韓国系を含めた負極材市場への足がかりを得る。同時に、ニードルコークスを原料とした人造黒鉛系負極材を製品ラインアップに加え、ほぼ全種類の負極材が製造可能になるとしている。