日本電産のトラクションモータシステム「E-Axle」

日本電産は8月1日、中国の広州汽車グループの広汽零部件と提携し、車載用駆動モーターを合弁生産することで合意したと発表した。広州汽車向けに加え、日系自動車メーカーとの合弁で製造する電動車両向けに駆動モーターの供給を目指す。

両社は新会社「広州尼得科汽車駆動系統」を2019年9~10月にかけて広州市に新設する。資本金は6億人民元(約93億円)で、日本電産が51%、広汽零部件が49%出資する。

合弁会社は、広州汽車が蓄積してきた電気自動車やプラグインハイブリッド車などに関するノウハウと、日本電産が保有するモーター技術、電装技術を組み合わせることで、主に広州汽車向けに、低コストで高効率な駆動モーターを開発・生産・販売する。他の自動車メーカーへの販売にも取り組む予定。

また、中国現地での開発エンジニアを増強して、開発設計力を強化するとともに、広州汽車グループの現地における購買力を活用することで原価低減を図る。

広汽零部件は広州汽車グループの部品メーカーで、自動車用シートシステムや内装トリムなどの自動車の内装部品やボディ電装部品などを手がけている。広州汽車が提携しているホンダやトヨタ自動車との合弁会社にも部品を供給している。

日本電産は車載モーター事業を戦略的に重要な事業の一つと位置づけ、中期戦略目標「Vision2020」でも売上高目標を7000億円~1兆円と掲げている。中でも駆動用モーターは電動シフトで需要拡大が見込まれることから特に注力している。