トーヨータイヤ独自の設計開発技術基盤

トーヨータイヤは7月9日、自動車用タイヤ開発プロセス「T-モード」に新たにCAE(コンピューターによる設計)とAI(人工知能)を融合して新たに体系化したと発表した。今後のタイヤ開発に新しいT-モードを活用していく。

同社は、各種データを一元管理し、標準化されたプロセスを共有できる基盤システム「シミュレーション・プロセス・アンド・データ・マネジメント」を活用して従来のT-モードに、AI技術を用いた設計支援技術を組み込み、タイヤ開発プロセスを高度した。

同社は、スーパーコンピューターを用いた「タイヤシミュレーション」と「ドライビングシミュレーション」という2つのシミュレーション技術を統合して、T-モードと名付けたタイヤ設計基盤技術を2000年に確立した。電動化や自動運転など、自動車の性能が大きく変化する中、タイヤも設計の高精度化・高速化が求められることから、タイヤ開発プロセスを進化させた。

新しいT-モードはシミュレーションを実行して得られた各種データは、共有サーバーに自動蓄積され、データベース資産として、新たな解析・予測に活用され、検証プロセスの短期化や製品開発時のリードタイム短縮につながるとしている。

逆問題解法を採用、目標性能を得るために必要な構造、形状、パターンの要求性能値をインプットすれば、AI技術を用いて必要な設計仕様が導き出される。

また、同社は昨年5月、自動車の低費化や電動化に必要とされる「空力特性の高いタイヤ」を実現するうえで有効な、独自の「モビリティ・エアロダイナミクス(空力シミュレーション)技術」を確立したと発表した。2019年末には新しいT-モードを活用し、車型ごとの空力特性を向上できるタイヤ設計案の予測技術に踏み込んで、空力シミュレーションにおけるコントロール領域を拡張する。