ルノー株主総会
スナール会長

ルノーのジャンドミニク・スナール会長は6月12日、ルノーの定時株主総会・特別株主総会で、日産自動車が6月25日の定時株主総会で提案する指名委員会等設置会社への移行に関して「棄権」すると表明していることに関してルノーのティエリー・ボロレ最高経営責任者(CEO)が委員会が委員に入っていないことが理由で「決して(日産に)戦いを挑もうというわけでなく、対話をしていきたいだけ」と述べた。日産の西川廣人社長兼CEOは6月13日、記者団に「大事な株主でありパートナーなので直接議論する」と述べ、委員会のメンバーにボロレCEOが入る方向で協議する意向を示した。株主総会の直前になって日産の新しい経営体制についてルノーが反発したことで、両社の関係は緊迫しているが、関係修復に向けて日産がルノーの要求を受け入れる方向で調整が進んでいる模様だ。

ルノーのスナール会長は「ルノーの成功はアライアンスの成功なしに考えられない」と、今後もアライアンスを強化していく姿勢を示した。日産がガバナンスを強化するため、指名委員会等設置会社に移行する議案について「棄権」する意向を表明したことに関しては「ガバナンスを変えることには賛成している」としている。ただ、新設される指名委員会、報酬委員会、監査委員会のうち、スナール会長は委員を務めるものの、ボロレCEOが委員会メンバーに入っていない。スナール会長は「ルノーの代表者を委員会の議席を持ちたいだけで、それ以外のことは要求していない」と述べ、日産と協議していることを明かした。