〇…バッテリー上がりで救援のロードサービスを待つ間、パーキングエリア駐車場横の木陰に逃げ込んだ。時雨というには、あまりにも大きな蝉の鳴き声に閉口しながらも、下を見ると今朝地上に出てきたばかりであろうその抜け殻が多数あることに気づいた。この声の主たちは、数年間この地下で成長を続け、やっと今、この上の木で精一杯に叫び声を上げ続けているのだ。昨年の春頃…