○…目的もなく歩きまわることを「そぞろ歩き」というが「そぞろ走り」というのはあまり聞かない。子どもの頃、この「そぞろ走り」が楽しくてしかたなかった。父が運転する車であてもなく走る。そこで見た風景、例えば季節によって姿を変える田畑や地域性のある建物など、すべての情報が新鮮で確実に蓄積された。シートベルトのない時代のため後席にしか座らせてもらえなかっ…