大畑智常務執行役員
きっかけとなった広告
TVAAで使用したレーザーディスク
世界初のTVAAが開催された
衛星通信によるTVAAを実現

 オークネットは、2025年6月に創業40周年を迎える。さまざまな二次流通プラットフォームを展開する同社の原点は「中古車」だ。さらなる進化を目指す同社の方針について連載する。初回は、大畑智常務執行役員にこれまでの歩みや今後の展望について聞いた。

―40年のあゆみについて
 「創業者である故・藤崎眞孝氏は、新聞に車販売の広告を掲載したことをきっかけに中古車販売事業へと乗り出した。現地に行かなければ仕入れられない不便さから、遠隔でも参加できる世界初のレーザーディスク式リアルタイムTVオークションを実現。第1回のオークションでは、出品119台、参加569社だったが、その後、衛星通信方式、インターネット方式へと環境が変わり、現在では2千回の開催を超える。また、2千年代以降は業界内でもネットオークションが活発となり、当社グループでは全国100以上の現車会場と接続するネットワークAA事業を展開。1台のパソコンで多くの会場から仕入れができることは、会員にとって大きなメリットだと感じている」

―オークネットの独自性とは
 「業界のデファクトスタンダードとなっているAIS検査だ。230名の検査員が全国の会員店を訪問し年間130万台以上の車両を検査している。現物を見ずとも車両の状態が把握でき、当社の4千会員の在庫車両を一つの市場と見立てている「共有在庫市場」でも登録6万台のうち半数以上がAIS検査付きの車両だ。今後、当社のオークション、共有在庫を他社と差別化するためには、当社でしか買えない独自車両を突き詰め、車両の供給元となる企業と連携を図り、より買い易いプラットフォームでの「エコシステム」を構築していく。また、オークション、共有在庫市場、入札会の融合など新たな市場の形を模索し展開していきたい」

―カスタマーサクセスについて
 「当社におけるカスタマーサクセスは、会員の皆さまに当社サービスを通じてビジネスの成長を実感していただくことに尽きる。改めて、当社を利用して良かったと思ってもらうために、マーケティングを深化させていく。会員がどういう行動をしているのか、どういう車を求めて、仕入れようとしているのかデータを可視化するだけでなく、会員と直接お会いする機会などを設け、調査・分析を徹底したい。グループ会社であるアイオークも含め、グループの成長のために何ができるかを検討している。」

―利便性向上の施策は
 「AISでは検査データとEVバッテリーの評価の仕方やOBD診断などを検査領域に組み込んで会員に提示できるように進めている。また、会員サイト「オークネオステーションハイパー」を今年夏から秋にかけて大幅に刷新する。より使いやすい流通プラットフォームを目指して40年目もサービスを改善していく」

―会員へメッセージ
 「40周年を迎え、会員の皆さまへの感謝に原点回帰する。特に初期に支えてくれた中小の専業店にもっと元気になってもらえるよう感謝の意を込めて取り組んでいきたい。今一度、会員が何を必要か考えてまい進していく」
(営業企画)