定番のエアコンフィルター
空気清浄機はファミリー層などに人気だという
折り畳み式のハンディーモップ
クルマの状態や使用場面に応じて機能性が異なるシャンプー
出先で使いやすい携帯シャワー
洗車用グローブは多くの製品が並ぶ

 例年より早く、本格的な花粉シーズンが到来している。くしゃみや目のかすみを引き起こす花粉症は、運転時の集中力の低下につながる恐れがある。このため、カー用品店の店頭では、車内への花粉の侵入や飛散を防ぐ対策用品に注目するユーザーが増えている。花粉の症状は外出先で悪化することもあり、車載してすぐに使えるアイテムが人気だという。例年、「手軽に使える商品が購入されている」(アピットオートバックス東雲担当者)こともポイントのようだ。医薬品などと併せて、車内空間をきれいにする対策用品をそろえれば、安全で快適なドライブにつながりそうだ。

 クルマの花粉対策は、花粉を車内に「入れないこと」と「除去すること」の徹底が重要だ。このうち、侵入を防ぐアイテムとして定番なのがエアコンフィルターだ。花粉を取り除く性能を向上した高機能タイプに交換するユーザーが少なくない。

 さらに、車載用の空気清浄機を求めるユーザーも増えている。車内を浮遊する花粉を吸収することで、空気をきれに保つ。形状はさまざまだが、デンソーやパナソニックなどが手掛ける製品はドリンクホルダーに収まるなど、簡単に設置できて邪魔にならない点が特徴だ。USBソケットからの給電に対応しており、乾電池などを必要としない点にメリットを感じるユーザーも多いようだ。

 それでも取りこぼした花粉を除去するには、車内の清掃が必要だ。特に、布張りのシートやフロアマットに付着していることが多いことから、花粉を吸着するブラシや掃除機などの需要がある。さらに、シートの隙間など、手が届きにくい場所に対応したハンディー型のモップの人気が高い。オートバックスの店舗でも「花粉シーズンに売り上げが伸びる」(同)という。折り畳み式とし、収納力を高めた製品も売り場で目立っている。

 実は、外側のボディーをこまめにきれいにすることも、花粉対策のポイントとなっている。車体に付着した花粉に触れることで、症状が出るケースもあるためだ。しっかりと洗車できない場合でも、携帯シャワーや洗車グローブを使えば、外出先でも手軽に気になった部分を洗うことが可能だ。

 ただ、車体に付着した花粉は、一旦水に濡れて乾燥したものも少なくない。この状態の花粉は吸着性が強く、通常のシャンプーでは落としにくい。花粉用シャンプーは除去性能を高めた溶剤を使用しており、簡単に洗い流すことができるため、手に取るユーザーも増えている。

 春になると、黄砂が飛来する時期にも重なる。黄砂は花粉症同様にアレルギーを引き起こす懸念があるほか、車両の汚れを悪化させる要因にもなる。快適なカーライフの実現に向け、これからの時期は特に、車両のケアを意識することが重要になりそうだ。

(後藤 弘毅)