WRC、WECともに参戦車のカラーリングをマットブラック基調に刷新する
2024年シーズンを戦うドライバーたち

 トヨタ自動車が2024年のレース参戦体制を発表した。世界戦は昨年に引き続きFIA世界ラリー選手権(WRC)と世界耐久選手権(WEC)に挑み、国内では、スーパー耐久シリーズなどに出場する。来シーズンも「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」に取り組む。

 トヨタは今シーズン、WRCで3年連続のマニュファクチャラーとドライバー及びコ・ドライバーの3冠、WECは5年連続でマニュファクチャラーズとドライバーズの2冠に輝いた。トヨタ・ガズー・レーシング(TGR)チームのオーナーでもある豊田章男会長は「モータースポーツで勝つためには皆で〝乗りやすいクルマ〟をつくらないといけない。そんなクルマづくりができるようになった結果だ」と話す。

 24年シーズンは、WRCとWECともに参戦車両のカラーリングを変更する。これまでの白基調のものから〝速さ〟をイメージしたマットブラックを採用する。豊田会長はテレビ中継などで視認しやすい色にしたと説明した。世界最高峰の両レースでは参戦車の装いを新たにし、連続タイトルを目指す。

 国内レースでは、スーパーGT、全日本スーパーフォーミュラ選手権、全日本ラリー選手権、そしてスーパー耐久シリーズに出場する。全日本ラリーでは、開発中の次世代スポーツ自動変速機(DAT)を搭載した「GRヤリス」で参戦する。

 スーパー耐久シリーズでは、2021年から水素エンジン車で出場し、厳しいレース環境下で完成度を高めてきた。水素は燃やしても二酸化炭素(CO2)をほぼ排出せず、ガソリンエンジンを流用できるため、脱炭素化の選択肢の一つとして注目されている。23年シーズンは燃料である水素をそれまでの気体からよりエネルギー密度の高い液体に切り替え、さらなる技術革新に挑戦した。

 水素エンジン車によるレースには、豊田会長自ら「モリゾウ」として参戦する。来シーズンもハンドルを握るかどうかについて、豊田会長は「(24年1月開催の)オートサロンまでには決まると思う」と語った。