鈴木俊一財務相兼金融担当相は24日、自動車保険金の不正請求問題を起こしたビッグモーター(和泉伸二社長、東京都多摩市)について、保険業法に基づき、損害保険代理店登録を取り消す行政処分を出すことを決めたと発表した。11月30日付。24日中に同社に伝えるという。

 取消方針は14日に打ち出しており、21日に同社による意見陳述(弁明や反論)のための聴聞を行った。同社は出席せず、21日までに陳述書を提出した。陳述書は「金融庁の方針に異論はない」との内容だったという。

 同社については、国土交通省が10月、道路運送車両法に基づいて34店舗について事業停止などの行政処分を出している。残りの約100店舗についても調査中で、処分対象が広がる可能性がある。

 ビッグモーターについては、伊藤忠商事と、子会社の伊藤忠エネクス、独立系投資ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(佐藤雅典社長、東京都千代田区)の3社連合が、買収に向けての資産査定に入ることを17日に公表している。行政処分による影響なども査定の対象になる。