JVCケンウッドは、2025年度を最終年度とする新たな中期経営計画「VISION2025」を公表した。「モビリティ&テレマティクスサービス分野(M&T分野)」では海外の自動車メーカーへ車載用スピーカーなどを売り込む。一方で、カーナビゲーション事業は国内回帰を急いで収益を改善させる。市販事業やテレマティクス事業ではドライブレコーダーやデータビジネスを志向する。

 新中計では25年度に売り上げ収益を22年度実績の3369億円から3700億円以上、事業利益率を4.7%から5.0%以上、ROIC(投下資本利益率)を8.3%から9%以上へ引き上げるなどの経営目標を設定した。M&T分野では25年度に売り上げ収益を22年度実績の1976億円から2160億円、事業利益を44億円から70億円へと増やす。

 海外の自動車メーカーへ車載用スピーカーやアンプなどを売り込む。江口祥一郎社長最高経営責任者(CEO)は「車載用のスピーカーやアンプなどは中国や欧州のOEM市場で需要が拡大している」と理由を語った。一方で、カーナビやディスプレーオーディオ市場は伸びが見込みにくいことから、生産体制の最適化を急ぐ。通信型ドライブレコーダーを活用した新たなデータビジネスの展開も急ぐ。

 同社は、30年度を見据えた中・長期事業成長イメージも公表した。30年度には売り上げ収益4千億円以上、事業利益率5~7%以上、ROIC10%以上を目指す。M&T分野では売り上げ収益で2300億~2400億円を視野に入れる。