地球に対する負担軽減を可視化した
2005年から森林整備活動を実施してCO2削減に貢献
地元サポータークラブの協力で整備する「オークネットの森」
オークネット 藤崎慎一郎社長
現車会場を経由しないことで車両運送回数を減らしCO2削減に貢献している
世界中のパートナーとともにサスティナブルな社会を目指す

 オークネットは創業38周年を迎えた。時代に先んじたリアルタイム中古車テレビオークション(TVオークション)から始まり、今では流通支援サービスのプラットフォーマーとして、中古車をはじめ、中古デジタル機器、ブランド品、中古バイク、花き、中古医療機器などの流通にも携わる。同社はこれらの事業を会員(パートナー)とともに取り組み、循環型流通を確立してきた。今後、世界中のパートナーとともにSDGs(持続可能な開発目標)を推進し、2025年までに「循環型流通の構築」「多様性の尊重」を目指す方針だ。

 ―創業当時からSDGsに近い考え方で事業を展開する
 「新型コロナウィルス感染拡大によりサステナブル経営が見直されはじめたが、当社は創業当時からSDGsに貢献できる事業を展開してきた。具体的には、プラットフォームビジネスとして、常にパートナーと一緒に取り組んでいることや、現車会場を持たないことで人やモノが移動する回数が少なくなり、CO2を削減していることなどが挙げられる。また、2005年から自然環境保護活動の一環として、公益社団法人 国土緑化推進機構の「森づくり」活動への参加を続けている。」

 ―事業活動とリユース品の流通などにより与えた影響を貨幣価値化した指標「GCV」を考案した
 「当社の事業をベースにSDGsを推進していくにあたり、具体的な数値目標を策定することにした。それが「GCV」(Gross Circulation Value、総循環型流通価値)だ。環境に対する貢献とリスクを金額換算し取扱高と合算したものを、事業活動による経済と環境への影響の指数とした。2023年4月には第三者保証を取得することができた」

 ―GCVの妥当性等に関して、東京大学エコノミックコンサルティング(UTEcon)による報告書を取得した
 「これまで二次流通市場の創出とリユースの促進による環境負荷の低減に取り組んできた。これらを貨幣価値化することは容易ではないが、今回、経済学的観点からも妥当性が高いと判断された。当社の理念に理解をいただいた会員の皆さまと共に歩んできた結果が評価されたと考えている」

 ―2022年のGCVは約5,417億円に上る
 「2022年の経済と環境に与えた影響を貨幣価値化すると、約5417億円となった。2025年までに1兆円の目標を掲げている。また、2100年の気温上昇を1.5%未満に抑えることを目指してリユース以外にも環境価値を創出・可視化して経済発展に貢献していきたい」

 ―パートナーとともにSDGsを推進していく
「SDGsに取り組もうとしても中小事業者単独では難しい場合もある。今後、当社のサービスを利用すること自体がSDGs推進に繋がるようなサービスを提供していく」