管理部 人事ブロック 当麻一吉ブロックリーダー
毎朝店舗周辺の掃除を行う
外国人材も多く在籍
ベトナムプロジェクトで入社したスタッフも活躍する
地域の消防団の活動に積極的に参加しているスタッフも

 ホンダ東京西(加藤和夫社長)は、地域社会に貢献することなどに焦点を当てたSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みを加速している。すでに実施している環境への配慮や地域の清掃活動、学生の職場体験、福祉車両の展示・販売、外国人人材の積極的な採用と育成などに加えて、2021年度には「フードドライブ活動」を開始。今後は店舗の防災拠点化なども視野に入れながら、自治体などと連携した活動にも取り組む方針だ。

社内資料や申請書類の電子化に着手 他資料も段階的に

 ーSDGsに取り組む背景について

 「販売会社は生産現場ではないため、できることは限られている。ただ、メーカー任せではなく、販社としてもできることはたくさんあるはず。そのできることを、可能な範囲で進めていくということ。一方で、何がSDGsなのかという部分について見極めが難しい面もある。一つひとつを切り取れば、『これもSDGsかも』と気づくことは日常でも多くある。〝ものを大事にすること〟や〝もったいない精神〟を基本線として、継続しながらブラッシュアップして進めていきたい」

 -取り組み内容について

 「これまでも他社でも行われているように紙を大切にするために、社内資料などは裏紙を使うように心がけている。社内資料や申請の電子化についても、順次進めている」

 -今年度からの活動は

 「例えば保険部門でいうと、そもそも紙で保存するものが非常に多いという特性がある。損保各社も電子化が進んでおり、代理店側もその流れに対応する必要があることを感じている。そこで、これまではFAXで行っていた新規・継続の保険申込書をPDF化して送信できるようにした。店舗側の手順はこれまでと変わらずに電子化できるためスムーズに移行できた。総務部門では通勤申請や休暇申請などの書類の電子化をまもなく開始する。今後、報奨金申請書や勤怠報告書なども段階的に電子化していきたい」

ベトナム語対応の整備マニュアルをアプリ上で公開

 -人材育成部門での電子化は難しい面もありそうだ

 「当社では『ベトナムプロジェクト』を展開している。近隣の日本語学校とベトナムのハノイ工業大学と連携し、日本語と自動車整備を学びたい学生を募り、学生は当社でアルバイトをしながら特定技能資格を取得する。20年に開始して、昨年5人のスタッフが入社した。そういった背景もあり、当社には自動車整備を学びたいベトナム人スタッフが多く在籍する。ただ、ベトナム語に対応する整備マニュアルがないため、独自に作成し、アプリ上に作業マニュアルとしてアップしている。クラウド上にアップしているため、変更点や追加項目は随時更新できるため、非常に利便性が高いと感じている。この機能は、整備マニュアルとしての活用にとどまらず、今後は会社のルールブックでも使えるのではないかと考えている」

-人材の多様化も進んでいる

 「これまでは営業、サービス、事務という大きなくくりのなかでの採用だったが、職種が多様化し、女性社員の比率が高まっている。外国人人材も増え、まさに多様化している。地元に根差した事業を展開するなかで、地元で働きたいという人が増えていることは非常にありがたいこと。地域の雇用に貢献できているという実感もある」

地域社会へいかに寄り添えるか

 ー企業がSDGsに取り組んでいることが就職の応募動機や購入の後押しにつながる可能性もあるといわれているが

 「ディーラーは敷居が高いといわれて久しいが、なかなかその敷居が低くなったという声は聞こえてこない。だからこそショッピングモール『さくらモール』への出店などは来店のハードルを下げることができているのではないか。福祉車両の展示なども行っているが、店舗に足を運ぶことは面倒だと感じる方や、見たいだけ、少し興味があるといった方へ見てもらう場所としては最適だろう。地域社会への貢献を目指す中、どれだけ地域社会や住民のかたがたに寄り添えるかが重要になると認識している。SDGsをきっかけに当社や店舗を知ってもらえればうれしく思う」