ジールス 執行役員兼自動車事業部統括責任者 渡邊大介(わたなべ・だいすけ)氏

 接客デジタルトランスフォーメーション(DX)で自動車販売の活性化に取り組むジールス(清水正大代表取締役CEO、東京都目黒区)。コミュニケーションアプリ「LINE(ライン)」を軸にしたサービス「接客DX for 自動車ディーラー」は、新車ディーラーを中心に国内市場で広がりを見せている。2月4日にジールスと日刊自動車新聞社が共催する無料セミナーでは、自動車販売に特化したラインの接客DXソリューションの実績から、その効果と一歩進んだ活用方法についてジールスの渡邊大介執行役員兼自動車事業部統括責任者が講演する。

 ―企業のDX化を支援している
 「DXという言葉が一人歩きし、仰々しさを感じる企業も少なくない。簡単なデジタルツールを導入し、バラバラだったデータを整えることもDXにつながる。足踏みよりもまずは土台を築くことを勧めている」

 ―DXの導入でラインを用いる理由は
 「ラインは日常的に使用するアプリで、エンドユーザーにとって圧倒的に身近な存在になっている。ウェブの本質に『トラフィック・イズ・キング』という言葉がある。トラフィックはアクティブユーザーを指しており、毎分のように使用されているラインを通じてアクティブユーザーをプールすることで競争優位性を引き上げることができる」
 ―自動車業界も従前からラインやウェブツールを活用した顧客とのコミュニケーションの方法を整えてきた
 「ラインによるコミュニケーションの多くが入庫案内や新車情報など一方的で、ユーザーが自分事にできていなかった。ウェブの予約ツールなどもユーザーにとって日常的ではないことが利用のハードルとなっている。例え機能が充実していても、ユーザーのアクティブ率の低さが要因となり、各種ツールの利用率が高まらないという課題につながっていた」

 ―自社のサービスでは自動車販売業で、アクティブユーザーをどのように生かしているのか
 「当社ではラインのチャットボット(自動会話プログラム)を活用した車検・点検予約の自動化で自動車関連業界に参入した。現在は発展させて来場や試乗予約などアフターセールス全般にサービスを広げている」

 ―企業への導入実績は
 「接客DXはディーラーを中心にすそ野を広げ、現在は車検のフランチャイズチェーンでもPoC(概念実証)を始めている。導入企業数は50社を超えており、2021年度末までに100社を視野に入れている。エンドユーザーがサービスを利用できる状態のマイカー登録は21年末までで全体で3万人に達し、導入企業のなかには保有顧客の1割を超えた販売会社もある。現在は月千人単位で登録者数が増えており、早い企業では2、3年で大多数を占めることになるだろう。4日のセミナーでは、導入事例とともに営業現場のDX化について講演したい」

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https://zeals.co.jp/njd_zeals_seminar020404