デンソーは14日、ミリ波レーダーと画像センサーを組み合わせた安全運転支援システム「グローバルセーフティパッケージ3(GSP3)」を開発したと発表した。視野角や検知距離を拡大するなどの性能向上を図るとともに、車両搭載性を高めるために機器の小型化も実現した。GSP3はトヨタ自動車が13日に発売した新型「ノア」「ヴォクシー」にも搭載されている。
GSP3はシリーズ3世代目となる。予防安全・運転支援シーンの拡大と、小型化、低コスト化をコンセプトに開発した。
ミリ波レーダーは検知角と距離を拡大。新たに交差点や右左折時にも対応できるようにした。検知エリアはアンテナ設計を改善し、電波伝送を効率化したことでGSP2に比べて約2倍となるプラスマイナス51・6度を実現。検知距離は151㍍から156㍍へと遠距離化を図った。
画像センサーは検知エリアを4倍に拡大。検知角、距離ともに約2倍の性能向上を実現した。また、AI(人工知能)技術のディープラーニングによって検証対象物を拡大。歩行者や二輪車などの向きが識別でき、信号機も新たに検知できるようにした。
GSP3では小型化、低コスト化も進めた。ミリ波レーダーはアンテナ・電源基板を統合するなど部品点数を半数以下に抑え、2分の1サイズを実現。画像センサーは画像処理とシステム制御処理を統合するマイコンレス化などを行った。システム全体のコストはGSP2と同水準になっているという。