モータースポーツの現場でも高い信頼性を誇るエンドレスアドバンス(萩原正志社長、長野県佐久市)の高性能ブレーキ。研究を重ね、レースの現場にも耐える製品はユーザーから圧倒的な支持を得る。花里功会長自身がドライブし、最終試験に合格した製品のみ商品として発売されている。
90年代にWRCなどのラリーカーに採用され、モータースポーツでの信頼度が高まった同社の製品。現在では、国内外で多数のレーシングチームが、ブレーキパッドからブレーキシステムまで幅広く採用し、オーダーメイドの受注も増加している。
2020年に立ち上げた開発・生産拠点「フューチャーラボ」に5軸マシニングセンサーを導入し、特殊な切削加工も可能が可能で、精密な製品の開発を行っている。そこで開発されたブレーキキャリパー「レーシングMONO 6TA」と「レーシングMONO4TA」は、過酷なモータースポーツの現場で、ブレーキフルードが漏洩しない画期的なパイプレス仕様となっている。メーカー系チームのラリーカーに採用されるほか、高い信頼性で、スーパー耐久参戦マシンの多くにもこのシステムが導入されている。
GRヤリス・ヤリスのユーザーに好評なのが、車の制動性能を高められるブレーキパッドだ。低ダストでホイールの汚れが気になるユーザー向けでストリートからスポーツ走行までバランスの取れた「スーパーストリートMスポーツプラス」は人気製品だ。ノンアスベスト材を使用し初期レスポンスと摩擦係数を最適化し、制動時の音も静かで、コントロール性が高い。
また、本格的なサーキット走行に向く「MX72プラス」は、セミメタリック材を採用し、熱ダレを抑制。スポーツ走行において高温時の制動耐久力を向上させた。サーキット走行が多く、コントロール制を重視するユーザーに適した仕様となっている。
GRヤリスの四輪駆動仕様に適合するサスペンションも開発している。「ファンクションドットコム」は、「車を操るドライバーとサスペンションを如何にしてマッチングさせるか」を重視する。コイルスプリングの種類やリザーブタンクの追加など、走りの質に貢献する注文も可能だ。乗り心地を両立させた、ストリート用サスペンションの開発も進んでおり、更なる新製品の登場が期待される。
エンドレスでは、クラシックカーのレストアにも取り組んでいる。安心して乗れるよう、部品をすべて取り外し、ボディやフレームを裸にして錆の除去を行う。車体色は、当時の純正色を忠実に再現するこだわりだ。外装の綺麗さだけでなく、走りの安心感もアップデートする。ブレーキをエンドレス製のオリジナル品に取り換えることで、効きも良くメンテナンスの容易性も高め、日々安全に乗れる車作りを心掛けている。
21年3月にオープンした展示スペース「130コレクション」に20台以上のレストアが完成したクラシックカーとレーシングカーを展示。週末には多くの来場者でにぎわうと言う。今後は、「クラシックカーをベースにしたレーシングカーを製作しヒストリックカーレースの出場を目指す」と花里会長は言い、今後の活動にも目が離せない。