日本総合研究所リサーチ・コンサルティング部門マネジャー 西村信吾(にしむら・しんご)

電力事業にはデマンドレスポンス(需要側応答)という考え方がある。電気は発電量と需要を常に一致させなければならないという性質を持つが、需要は時々刻々と変化し、完ぺきな予想は不可能なため、両者を一致させるための柔軟性が電力システムには求められる。従来、この柔軟性は発電設備が担ってきた。需要が想定よりも落ちれば発電量を減らし、想定よりも上がれば発電量を…