全日本ラリーで活躍するテインのサスペンションが装着されたGRヤリス
GRヤリス用の「フレックスZ」
電動減衰力コントローラー「EDFCシリーズ」は車内にいながら調整ができる
一段あたりの幅を持たせた16段の調整機構
キャンバー調整式ロアブラケットで4種のキャンバー角の設定が可能

 車高調メーカーとして高い知名度を誇るテイン。全日本ラリーなどの数々のレースに参戦しており、好成績を収めている。そこからフィードバックされたデータが詰め込まれた製品は、ユーザーから高い支持を得ている。

 GRヤリス向けにも「FLEX Z(フレックスゼット)」が用意されている。この製品にも、今年の全日本ラリー第3戦でワークス勢を押さえて3位入賞を果たした製品ノウハウが詰め込まれている。

 ロールの低減や減衰力の最適化でスポーツ性能を向上しているほか、フロントにはキャンバー調整式ロアブラケットを採用し、4種のキャンバー角が設定可能となっている。走行ステージに合わせた幅広いアライメント調整が可能で、ユーザーの用途に合わせてセッティングが可能だ。全長調整式の車高調整機構は、車高を変えてもストローク量を変えることなくローダウンでき、乗り心地との両立ができる。またストロークを多く確保できる複筒式を採用し快適性を確保している。

 減衰力調整機構は変化幅が重視されている。その幅は16段で設定され、1段あたりの幅を持たせることで、ユーザーが変化を感じられるよう調整されている。調整ダイヤルを回すことで乗り味やハンドリングを自分好みにセッティングすることが可能だ。また、GRヤリス用のフレックスゼットは、電動減衰力コントローラ「EDFCシリーズ」に対応している。車内にいながら街中や高速道路、ワインディングなどシチュエーションに応じてフルオートで乗り味を変えることができる機能はユーザーにとってメリットだ。     

 テインでは、ヤリスとヤリスクロス向けにも「フレックスゼット」を展開している。GRヤリス用と若干仕様は異なるが、ノーマルの快適性はそのままに、ボディロールの低減とコーナリング中のコントロール性の向上が図られた。

 街乗りなど低中速走行時の快適性が配慮されており、幅広いユーザーに提案ができる仕上がりとなっている。

 同社のフレックスゼットシリーズは、シールド構造が採用されている。これまでは分解式の手組で行ってきた作業を、機械できる非分解式のシールド構造を採用することで、短時間での組み上げのほか一定の品質確保、製品のコストダウンを実現し、ユーザーがより購入しやすくなっている。

 また、従来であればショックアブソーバーにヘタリがあれば、オーバーホールやサスペンション一式の交換が必要だったが、新しいショックアブソーバーのみを購入する「リプレイスメントサービス」がフレックズゼットには適用されている。これまで使用していたアッパーマウントやロアブラケット、スプリングなどのアウターパーツはそのまま装着するため経済的で、幅広く提案しやすいサービスとなっている。

 フレックスゼットシリーズはテイン本社のある横浜工場で作られている。購入より3年、装着から6万キロの範囲で保証されるほか、スプリングシートがなんらかの原因で固着してしまった場合を含む故障も無償修理を受けることができるので、安心して使用することができる点は、ユーザーに提案しやすい大きなポイントだ。