損害保険業界がエーミング(機能調整)作業に対応する整備ネットワークづくりに乗り出した。SBI損害保険(五十嵐正明社長、東京都港区)と日本技能研修機構(JATTO、石川明男代表理事)、DRPネットワーク(津島信一社長、東京都葛飾区)は14日、都内で記者会見し、先進安全自動車(ASV)の電子制御装置整備で提携すると発表した。損保会社とエーミング作業に特化した整備ネットワークが組むのは初となる。

 11月以降に発売される新型乗用車への緊急自動ブレーキ搭載の義務化などで、事故車修理時などにセンサーのエーミングが必要な車両が今後増加する。事故車に対して適正なエーミング作業を行わなければ、装置の誤作動で事故につながる可能性がある。同日会見したSBI損保の五十嵐社長はこうした背景から「保険契約者にASVの適正な作業ができる整備工場を紹介できる仕組みの構築が急務」と提携の狙いを話した。 

 SBI損保はDRPと2008年から事故車修理の入庫誘導契約を結んでいる。DRPは同社の主要提携先としてJATTOが持つノウハウでエーミング作業に実践的に対応できる加盟店を拡大する。DRPの岡本会長は提携で入庫誘導数の増加など「ビジネスの新しい起爆剤になる」と話した。

 今回の提携で、SBI損保とDRPはJATTOに協賛会員として加盟する。現在、JATTOには作業を受注する会員が116社、作業を発注する協賛会員の提携工場数が約2万7千工場ある。DRPは作業を受注する会員としてすでに参画する加盟店以外の参加も検討している。