左から江原浩己取締役営業本部長、市川喜一郎代表取締役社長、堀越秀樹企画本部商品企画グループリーダー
用品大賞「ランプバルブ部門」を受賞した「ヘッド・フォグランプ用LEDバルブ『Fシリーズ 』」
Fシリーズが装着されたジムニーJB64
国際認証規格(Eマーク)を取得できる配光試験室
全光束測定を行う積分球
各メーカーのヘッドライトが保管される倉庫
完成品は全数検査のうえ、シリアル番号を入れ出荷される

 第34回日刊自動車新聞用品大賞「ランプバルブ部門賞」を受賞したIPF(市川喜一郎社長、群馬県高崎市)の「ヘッド・フォグランプ用LEDバルブ『Fシリーズ 』」。パッケージの数値や瞬間的な明るさだけではない総合的な品質が特徴だ。『F』は、Future(未来)・Force(力)・Fusion(融合)の頭文字から取り、同社の技術が詰め込まれている。量販店からも”売りやすい特徴のある製品”という評価にもつながっており、市川社長が「しっかりとモノづくりに向きあい、信頼性の高い製品を作ることの重要性を改めて感じた」と語る通り、妥協なく誠実に製品と向き合う同社の姿勢が反映されている。

―ヘッド・フォグランプ用LEDバルブ Fシリーズの特徴は
 「『デュアルカラーフォグランプバルブFシリーズ』は、天候に応じて発光色が変えられるフォグランプ。ホワイト光は6500ケルビンと、カンデラ値(最高光度)が向上しドライ路面をより明るく照射する。また、イエロー光は、2400ケルビンと、濃いイエロー光に進化させた。これにより悪天候時や、ウェット路面での視認性が向上する。ホワイトとイエロー2つのLEDチップの配置最適化で、発光色の切り替え時でもほぼ同じ位置への照射を可能とした。前シリーズの革新的テクノロジーを踏襲し、『取り付け簡単』と『純正スイッチで切替え制御』、簡単配光調整の『アウターエーミング機構』を搭載している。刻々と変化する路面の状況に応じて即座に順応する驚きの2色切り替え機能を持っている」
 「『ヘッドランプバルブ Fシリーズ』は、特徴のワイド配光はそのままに、車検測定位置の光度が向上。成熟されたLED制御技術で、信頼性とハイパワーを両立した。光束維持率(明るさの持続性)がアップし、変わらぬ明るさを維持する。さらに優れた放熱性能と電磁ノイズ対策、高耐久を併せ持つ。自動車メーカーのOEM品質に準拠した各種試験を実施し、性能の高さを保証している。ボディー色が新たに『トパーズゴールドメタリック 』と『ストームグレイメタリック 』を採用し、高級感のある配色でデザイン性を向上し、様々な車種に対応している」

―開発で苦労は
 「2018年に用品大賞を受賞したデュアルカラーフォグランプバルブをさらに進化させるにあたり、LED素子の選定見直し新たな基板設計を行い、100分の1ミリ単位でLEDの配置の試行錯誤を繰り返した。デュアルカラーフォグランプバルブFシリーズでは旧モデルの視認性、信頼性のメリットを踏襲しつつ、中心光度のアップと照射範囲の改良を行い、数値的、また視認性も向上することが出来た。ヘッドランプバルブ Fシリーズも同様にLED素子の選定見直しと新たな基板設計を行い、旧製品を上回る中心光度と光束維持率(明るさの持続性)向上を研究開発し製品化した」

―ライトへのこだわりは
 「当社のヘッド・フォグランプ用LEDバルブ『Fシリーズ』は各製品共通して、ハードルが高く様々な評価試験が必要な自動車メーカー純正OEM製品開発で培った高い品質と信頼性、法規に準拠した製品として構成されている。対向車や歩行者に幻惑を与えない適切な照射や明るさを持続させる放熱性能、ほかの車載機器に干渉しないノイズ対策など、瞬間的な明るさだけではない総合的な高品質化を目指し、製品が作られている」

―コロナ禍での販売状況は
 「『若者のクルマ離れ』と言われる近年の厳しい自動車業界だったが、コロナ禍の中、巣ごもり需要やソーシャルディスタンスを確保出来るモビリティーとして自動車は注目されている。当社としても自動車関連用品、特にアフターマーケット製品の需要の高まりをメーカーとして感じている。またSNSや動画投稿サイトなどソーシャルメディアの分野で、自動車カスタマイズに関する注目度も上がっており、弊社の販売向上にも繋がっていると感じている」

―販売現場に対して、協力している
 「全国展開されている自動車品販売チェーンへは、LED・ハロゲンなど交換用電球の点灯ディスプレー等を弊社にて作製し、店内でユーザー様へ分かりやすく製品説明するデバイスとして提供している。また、自動車用品卸業者や部品商向けや自動車ディーラー向けに、LEDバルブに関する勉強会などを開催し、製品に関する情報を販売店からユーザーへ分かりやすく伝える協力を行っており、好評を得ている」

―ターゲット層や訴求ポイントは
 「IPFブランドの製品ユーザーは、サーキットやラリーといったモータースポーツ分野や四駆・クロカン・SUVなど、クルマに関心の高いエンスージアスト層をベースに支えられていると感じている。ハイエンドのユーザーから評価が、口こみのような形で新たなエントリー層へと裾野を広げている。ブランドのモットーに「すべてが最高品質」「妥協しないポリシー」という言葉がある。高い性能と品質をプロフェッショナルから運転初心者のユーザーまで安心安全を届けられるよう、高品質なライティング製品を製造するブランドとしてユーザーへ訴求している」

―今後の展望は
 「自動車業界は百年に一度と言われる様な大転換期にある。現状に甘んじず常に次の市場ニーズや新しい分野を開拓しなければならないと感じている。今後も自動車用交換電球のほか、『クルマの楽しさ』や『デザイン』、『ライフスタイル』にもこだわった製品の開発に取り組んでいく」