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 政府は、2021年度の自動車損害賠償責任保険(自賠責)の保険料を2年連続で引き下げる方針を固めた。具体的な引き下げ幅は今後詰めるが、20年度に比べて1割弱程度の水準とする見通し。金融庁が13日に開いた「自動車損害賠償責任保険審議会」で了承した。緊急自動ブレーキなど先進運転支援システム(ADAS)搭載車の普及に加え、新型コロナウイルスの感染拡大による外出や移動の自粛で交通事故の減少が加速していることが要因とみられる。金融庁では18日にも次回会合を開催する予定で、21年度の自賠責保険料を正式に決定する方針だ。

 次回の審議会では損害保険料率算出機構が提出した基準料率をベースに、4月から適用する新たな自賠責保険料の水準を議論する見通し。交通事故の被害者を救済する目的の自賠責は、保険料収入と支出が見合うように設計されている。保険金支払いが減れば保険料も引き下げる仕組み。20年度もADASを搭載した安全運転サポート車(サポカー)の普及効果で、交通事故が減少したことが奏功し、自賠責保険料は全車種平均で16・4%もの引き下げを実現していた。

 警察庁がまとめた20年の交通事故発生件数(速報値)は前年比18・9%減の30万9千件で、死者数も戦後初めて3千人を割り込んだ。サポカーの効果が20年も続いているとみられるほか、新型コロナによる人流の減少も要因となった。政府はこうした傾向も、21年度の保険料水準に反映させていく考えだ。

 政府は「サポカー補助金」の期限を延長するなど、安全性の高い車両の普及を促す取り組みを継続している。新型コロナの動向は不透明だが、今後も交通事故の発生を抑えられれば、さらなる自賠責保険料の引き下げへとつながりそうだ。