ZMP(谷口恒社長、東京都文京区)と日建設計シビル(岡田亨嗣社長、大阪市中央区)は、東京都新宿区の地下街・新宿サブナードで無人警備・消毒ロボット「パトロ」を使用した消毒液散布の実証実験を行った。不特定多数の人が通行する地下街の一部を無人走行し、防火扉ノブに消毒液を散布した。

 パトロは全方位カメラやレーザーセンサーなどを駆使し自律走行する電動小型ロボット。地下街の3次元地図データを事前に取り込むとともに、正確な散布場所を設定することで、上部の電動噴霧器を使い消毒する。クラウドシステムとモニターを使うことで、遠隔操作できるほか、周囲の状況も確認できる。

 疑人化した前面の顔で喜怒哀楽を表現し、音声により周囲とコミュニケーションが取れるのが特徴で、人との融和性がある。人が進行方向を遮ると涙目に変わり「道を譲って下さい」とお願いし、道を譲ると目がハートに変わり、喜びを表現する。最大速度は時速6㌔㍍。1時間の充電で2~6時間稼働する。噴霧器の容量は3・8㍑。

 12月から販売を開始する。新型コロナウイルスが蔓延していることから、人の往来が多い公共・福祉・商業施設などでの需要を見込む。

 価格は5年間のリース設定で、実証実験に使用した無人警備・消毒タイプは月額11万円(税別)。電動噴霧器のない無人警備タイプは同10万円(同)。導入には3次元地図データの作成、チューニングなどの初期費用がおおよそ200万円以上掛かる。本格導入を検討する事業者向けにトライアルプログラムも設定する。