ブレーキパッドの研究開発をルーツに持つエンドレスグループ(長野県佐久市、萩原正志社長)。モータースポーツの世界でブレーキパーツを供給し実績を重ねるほか、自社でもレース活動を行い、過酷な環境下で得られたデータをフィードバックし生産された製品は、信頼性の高さもあり、世界中から求められている。第33回日刊自動車新聞用品大賞のカスタマイズ部門を受賞した「スーパーストリートM-スポーツプラス(SSMプラス)」も、これまで培ってきた技術を応用し、スポーツ車以外にも幅広く適合した、街乗りでも使いやすいブレーキパッドだ。会長の花里功氏と萩原社長に製品の特長と今後のエンドレスの戦略について話を聞いた。
-SSMプラスの特長は
萩原社長「超低ダストブレーキで人気を博したSSMの摩擦材を改良し、初期レスポンスと摩擦係数を最適化した。低ダスト性・低異音性を保ち、バランスの取れた製品となっている」
花里会長「初期レスポンスを高めことで、コントロール性能など、ドライバーに安心感を与えるとともに、扱いやすさを体感できることを重視した。近年のスポーツセダンやハイブリッド車両、ドレスアップカーなど、ストリートからワインディング走行をメインとするユーザーが使いやすいよう、長年積み上げてきた実績と技術や経験が生きている。今後も進化したエンドレスブランドを市場に出していきたい」
-エンドレスの強みやこだわりは
萩原社長「商品企画から設計・生産、販売までを一貫してできることが強みだ。ブレーキは命に係わる製品で、一切の妥協はできない。だからこそ安心して使用してもらえるよう、販売後もオーバーホールやリペアメンテナンスなど、アフターフォローも欠かさない」
花里会長「日進月歩の技術開発も最先端の工作機械を導入しており、常に進化し続ける環境に対応している。今年4月にエンドレスフューチャーラボを新たに開設した。独ハームレ社の「5軸マシニングセンタ」を設置し、製品開発チームのデータベースと接続し、精密な加工を自社内で完結できる環境が整った。大幅な作業時間の短縮につながり、開発スピードも格段に向上した」
-製品にはメイド・イン・ジャパンのこだわりをもっている
花里会長「エンドレスグループをはじめ、外部委託先も地産地消で行っている。今後もこの姿勢は変わらない。マーケットは海外に広がりをみせており、時代に合わせた新しい製品を作り続けていく」
-東京オートサロンに出展するレストア車両も注目を集めているが
花里会長「クルマは動いてこそ本来の価値があると考えている。整備事業も行っており、完璧にメンテナンスされた状態にこそ意味がある。当社のレストア車両はすべて車検に合格し常に公道を走れる状態を維持している。来年1月に、長野県佐久穂町に『夢工房』を設立し、これまでにレストアした車両やレース車両の展示をする。展示車両の同乗走行も行う予定だ。小さなころから貴重なクルマに触れる機会を提供し、ファンを増やしていきたいと思っている。また、夢工房には整備工場も併設する。現在認証を取得中で、さまざまなクルマに触れる機会を提供していきたいと思っている」