トヨタ自動車は1日、中古車事業を強化すると発表した。認定中古車の呼称を複数ある「ティーバリュー」から「トヨタ認定中古車」へ一本化するほか、デジタル技術を駆使して中古車オークション(AA)や小売りをてこ入れすることなどが柱だ。5月からの全系列併売やMaaS(サービスとしてのモビリティ)市場の拡大をにらみ、販社の収益力向上を支援し、安定した新車販売にもつなげていく。

 AA事業では、トヨタユーゼック(北口武志社長)、シーエーエー(永谷敏行社長)の会場やヤード(車両置き場)の能力を順次、拡大する。

 また、AA会場に設置するダイハツ工業やマツダ、スバル、日野自動車の取引コーナーも充実させ、メーカーを超えた連携を強化する。小売りでは、トヨタの公式中古車サイトを刷新し、年央からオンラインの商談や注文ができるようにする。昨年から一部地域で試行してきたトヨタ認定中古車店間の在庫共有サイトも年央から全国へと広げていく。

 中古車販売は、独立系のチェーン店や地域に根ざした小売店などが群雄割拠し、メーカー系販社と言えどシェアをなかなか高められていない。リースやシェアリング、サブスクリプション(定額利用)など車両の買い方や使い方が多様化する中、将来をにらんで販社の経営基盤をより固める必要があると判断した。