クルマの「保有」にこだわらず、必要な時だけ「使用」するMaaS(サービスとしてのモビリティ)の需要が急速に高まっている。2019年もクルマや駐車場のシェアリング事業、タクシー配車などさまざまなサービスが台頭してきた。異業種からの新規参入も相次いでおり、勝ち残りに向けた競争激化は今年も続くのは間違いない。こうした中で、さまざまなサービスを一つのアプリで一括して提供しようという動きも目立ち始めている。今年もライバルに競り勝つため、より多くのサービスを自社のアプリに取り込む動きが加速しそうだ。

 乗換検索大手のジョルダンは、自社のアプリから路線バスや観光施設の利用券などを付帯した企画商品を購入できるサービスを始めている。こうした商品の充実に取り組むだけでなく、将来的にはレンタカーやカーシェアなどの領域にも広げたい考え。NTTドコモの「dカーシェア」では複数の事業者のカーシェアを利用可能として利便性を高めている。

 ユーザーにとって1つの利用登録で、さまざまなサービスが使えることのメリットは大きい。MaaS事業者側もライバル勢との差別化につなげるため、提供サービスの領域拡大を目指していくのは間違いなさそうだ。