【ミュンヘン=浅井大樹】制御開発ツール大手の独dSPACEのユーザー向けイベント「dSPACEワールドカンファレンス2019」=写真=が19日、ミュンヘンで開幕した。世界的なユーザーイベントの実施は今回が初めて。自動車メーカーや部品メーカーのエンジニアなど30カ国から約500人が参加。欧州自動車メーカーの開発責任者による基調講演のほか、自社の最新の制御開発技術などを披露した。

 19、20の両日開催の今回のイベントは、自動車開発の最新トレンドである自動運転と電動化をテーマに設定した。新型車に採用した新技術をはじめ、今後の技術的な課題や市場トレンド、法規制などへの取り組みについて、フォルクスワーゲンやBMW、ジャガー・ランドローバーなどの開発責任者が解説。会場では次世代技術の開発効率化に不可欠な制御システムのシミュレーション技術なども多数展示した。

 dSPACEのマーティン・ゲッツェラーCEOは基調講演の冒頭で「自動運転と電動化が自動車産業に大きなインパクトを与えている。制御シミュレーションを通じ多くの顧客に最適なソリューションを提供していくことで、自動車産業のより良いパートナーを目指していく」と挨拶した。

 dSPACEは、電子制御ユニット(ECU)の制御プログラムのシミュレーション開発に特化した機器を中心に手がけている。欧州や日本、米国、中国など各国の自動車メーカーや部品メーカーが導入しており、制御開発関連ツールでは世界トップシェアを誇っている。