ビー・エム・ダブリュー(BMWジャパン)は8月29日、コンパクトモデル「1シリーズ」をフルモデルチェンジして販売すると発表した。3代目となる新型1シリーズはFFプラットフォームを採用、AI(人工知能)を活用してドライバーが音声でエアコンやエンタテインメント類を操作できる「BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタント」を採用するなど機能の充実を図った。11月以降、順次納車する予定。

1シリーズのモデルチェンジは8年ぶり。BMW2シリーズやBMW MINIとほぼ同じFFのプラットフォームを採用した。日本投入モデルで初となるタイヤスリップコントロールシステム(ARB)を搭載する。エンジンコントロールユニットがタイヤのスリップなどを直接検知してエンジンを制御、コーナーリング中のアンダーステアを抑制する仕組み。スリップの情報をDSC(横滑り防止装置)を経由しないため、従来より3倍の速さで制御できる。

インテリジェント・パーソナル・アシスタントは、「OK、BMW」などと起動キーワードと「暑い」などと発すると、エアコン設定温度を自動で下げてくれる。AIを使ってドライバーの指示や質問を理解し、それに適したサービスを起動する。起動キーワードとなるシステムの名前は自由に変更可能で、「OK」の後に呼びかける言葉を任意設定できる。同様のシステムはメルセデス・ベンツが「Aクラス」で実用化している。

また、車両が時速35km以下で前進した直近50mの軌跡を記憶しており、間違った道に進入した場合など、前進した軌跡通りに自動でステアリングが操作される「リバース・アシスト」を全車に標準装備する。運転支援機能として車線逸脱警報や後部衝突警告機能なども標準装備する。

「M135i xDrive」には、最高出力225kW、最大トルク450Nmを発揮する2散ったー直列4気筒エンジンを搭載する。新開発の機械式トルセン・リミテッド・スリップ・デファレンシャルも標準装備する。

BMWジャパンでは国内で1シリーズを初代が4万4000台、2代目が6万2000台を販売した。1シリーズはBMWのエントリーモデルで、初めてプレミアムコンパクトカーに乗るユーザーも多い。新型車では、輸入車の購入を検討している国産車ユーザーや、特に女性をターゲットにマーケティング活動を展開し、販売を促進していく方針。

価格は先代と比較して約30万円高い。118iが334万円、M135i xDriveが630万円。