中古車販売店のデザインも変更する。従来、専売店は「ホンダオートテラス」、新車併売店「オートテラスコーナー」を展開していたが店舗名を「ホンダカーズ○○ U-Select○○」(○○は地名)店とし、「緑」を採用したオーテラスのイメージカラーを、ホンダ・カーズ販売店と同じ「白」を基調としたものに変更する。店舗のサイン変更は2019年10月から2020年3月末までの間に実施する。

また、ホンダグループの中古車事業に新しいシステムを導入して、全国の中古車販売店をネットワーク化する。従来、販売店ごとに管理していた在庫情報、査定価格などの中古車に関するデータを集約して、これを分析したものを販売店にフィードバックする。これによって競争力の高い中古車下取り価格を提示して、買取専売店に対抗する。さらに、販売会社が在庫過多となって従来であればAAに出品して処理していた中古車については、「共有在庫」にしてグループ力を活用して小売りを促進し、AAなどの外部への流出を防ぐ構え。自動車メーカーがグループ全体で中古車の在庫を共有するのは初めてという。

ホンダによると、新車の収益は、自動車メーカーと系列販売店で92%を確保できているのに対して、中古車では40%にとどまり、多くが大手中古車専業者の収益となっている。国内新車市場の大きな成長が見込めない中、ホンダでは、これまで手薄だった中古車事業も、販売会社の重要な収益になると判断。特に自動車メーカーの中古車の手の内化は、ブランドイメージの向上や、下取り価格の引き上げに結びついて、新車販売の促進にも結びつくことから、中古車事業の立て直しにやっと重い腰を上げる。ただ、全国にネットワークを広げ、規模や収益力で定評のある中古車専業者に対抗できるかは予断を許さない。