U-Select拠点イメージ
「Honda認定中古車 U-Select」のロゴ

「自動車メーカーは新車が売れると儲かるし、アフターサービスが増えると部品販売で収益が得られる。中古車が売れても自動車メーカーには実入りがないので(中古車事業の)優先順位は低かった」(岩崎則彦ホンダ日本本部販売部部長)―ホンダは8月6日、国内中古車事業を刷新すると発表した。位置付けが不明確だった認定中古車制度を見直すとともに、中古車販売店のデザインを変更、中古車に関する情報をホンダと系列ディーラーで共有するシステムも構築して、大手中古車専業者に対抗する。

ホンダによると、ホンダの中古車が国内で年間48万台発生しており、このうち、23万台は他社の系列ディーラーの下取り車などに流れて、ホンダグループには手が出せない。残りの25万台のうち、ホンダ販売会社が下取りしているのは6万台にとどまり、5万台を中古車専売店が買い取っている。14万台はホンダ販売店に下取りしても、在庫過多によってオートオークション(AA)などに出品されている。ホンダグループが手の内化できているのは12%にとどまる。新車市場の成長が見込めない中で、ホンダでは販売会社にとって貴重な収益源になる可能性のある中古車事業を立て直す。

中古車事業の刷新に向けて認定中古車制度を見直す。従来は他銘柄の中古車や修復歴のある中古車でも、一定の基準をクリアした車両はすべてホンダ認定中古車としていた。「選ばれた特別な車両」とするため、認定中古車ブランドを「U-Select」とし、ホンダ車で修復歴なし、第三者機関が評価した「車両状態証明書」を必須条件とする。中でも上質な認定中古車と位置付ける「U-Selectプレミアム」は年式5年未満、走行距離5万km未満、評価点4点以上の中古車で、無料保証2年(通常は1年)を付与する。