Q8のデザインのベースとなったアウディクワトロスポーツ

アウディジャパンは7月3日、SUVの「Q」シリーズのフラッグシップとなる「アウディQ8」を9月3日に販売開始すると発表した。国内市場も米国や中国と同様、SUV市場が拡大しており、アウディはSUVのラインナップを拡充して需要を開拓する。ビー・エム・ダブリュー(BMWジャパン)も上級SUVの「X7」を6月24日に発売しており、1000万円クラスの上級の輸入大型SUVが相次いで市場投入される。

新型Q8は、クーペスタイルのSUV。アウディは2007年に「Q7」を投入してからSUVのラインナップを拡充しており、現在「Q5」「Q3」「Q2」を展開、新型車はSUVとして5モデル目となる。アウディのグローバルでの2019年のSUV比率は38%だが、2025年には50%と、2台に1台がSUVになると見込んでいる。

「A8」など、アウディにとって「8」はフラッグシップモデルを示す数字。新型Q8はQシリーズの特徴である八角形シングルフレームグリルに新しいデザインを採用した。外観のデザインは当初、Q7をベースに、クーペスタイルとしてルーフラインを変更することを検討してきたが、アウディらしさを追求するため「全く新しいパッケージ」のデザインを採用することにした。ルーフはQ7より30mm下げて、スポーティなイメージを強調した。アウディの伝統的なクーペモデルである「アウディ・スポーツ・クワトロ」のデザインを流用したという。

インテリアはセダンタイプのフラッグシップである「A8」と同様、タッチディスプレイを全面的に採用したHMIタッチレスポンスや大型バーチャルコックピットを採用した。

パワートレインは、340psを発揮する3リッターV6のTFSIガソリンエンジンと8AT(オートマチックトランスミッション)を組み合わせた。4輪駆動システムの「クワトロ」やAWS(オールホイールステアリング)も採用し、高い走行性能を発揮する。48ボルトマイルドハイブリッドシステムを全モデルに搭載する。

最大でカメラ5台、レーダー5台、ソナー12台の合計22個のセンサーを装備し、0~250km/hまでの速度で、加減速や車線変更などの運転を支援する。アウディ初となるエマージェンシーアシストは、ドライバーに異常があり、運転していないと車両が認識すると、音とモニターで警告し、それでもドライバーが反応しない場合、同一車線内に車両を停止させる。

価格はQ8 55TFSIクワトロが992万円(消費税込み)。初年度は国内で500台の販売を見込み、2020年はエンジンのバリエーションを拡大し、700~800台の販売を計画する。2020年にはディーゼルエンジン搭載モデルを追加する予定だ。