ルネサスエレクトロニクス(参考画像)

ルネサスエレクトロニクスは6月25日の取締役会で、呉文精社長兼CEO(最高経営責任者)が6月30日付で退任し、柴田英利取締役執行役員常務兼CFO(最高財務責任者)が7月1日付で社長兼CEOに就任する人事を決めたと発表した。

同社は業績が悪化しており、2016年度に設定した中期的に目標とする財務指標との乖離が大きくなっていることから、取締役会の任意の諮問機関として設置している「指名委員会」が呉社長が今後の業績回復や成長軌道への復帰を実現させる経営トップとして適任かの評価を実施した。

この結果、呉社長が経営トップとしては指名委員会の期待を満たしていないほか、競合他社の動向を踏まえると早期の交代が必要であると判断した。呉社長は任期途中ながら取締役を含めて辞任した。

また、指名委員会は約2カ月にわたって協議し、柴田氏が「リーダーとして構造改革などを行ったこれまでの経験から反省や学びを活かして、現在の業績不振、株価低迷から脱却するため、有効な対策を迅速に講じることが期待できる」として後任に選定した。

柴田氏は同社が経営危機にあった2013年に入社し、取締役執行役員常務兼CFOとして人件費削減や生産拠点の再編などの構造改革を推進してきた。その後、インターシルやIDTの買収でも重要な役割を果たしたとしている。

柴田氏は1995年にJR東海に入社、2007年にメリルリンチ日本証券のグローバルプライベートエクイティマネージングディレクター、2009年に産業革新機構投資事業グループ マネージングディレクターなどを経て2013年にルネサスエレクトロニクスの社外取締役に就任した。