日産自動車の西川廣人社長は6月25日、第120回定時株主総会で、ルノーと経営統合を含めた今後のアライアンスの見直しについて検討する方針を示した。また、西川社長はカルロス・ゴーン元会長の不正事件の責任を明確にするため、後継体制の準備を進める考えも示した。

ルノーは大株主であるフランス政府の意向もあって日産との経営統合を求めている。4月にルノーのジャンドミニク・スナール会長が日産の西川社長に対して経営統合を求めたものの、西川社長は「ガバナンス体制の強化や業績回復を最優先する」として、ルノーと経営統合を交渉する時期ではないとしてこれを拒否した。

西川社長は今回「(アライアンス見直し)議論を先送りすると憶測を呼んだり、動揺が広がる懸念もある」とし、経営改革と並行して、スナール会長と、資本のあり方を含めてアライアンスの見直しを議論する場を設定する方針を示した。西川社長はルノーとの関係は互いの自立性を尊重することが最も重要と指摘しながら「仕事を進める上で資本関係がどう影響を受けるのか、この関係を続ける上で不安定要素になるなら改善する必要がある」と述べた。

また、西川社長はゴーン事件の発覚後、経営責任について「経営を軌道にのせることが私の責任」と述べていたが、同日の株主総会で指名委員会等設置会社に移行するなど、「非常に大きな節目を迎えた」とし、総会終了後、同日発足する予定の指名委員会で、トップ交代による後継体制について議論してもらうことを要請する方針を示した。