「それは私の仕事ではない」―。戦後、終戦時の大本営幹部が終戦工作に関して語った言葉だ。この雰囲気を昨年、ものづくり現場で相次いだデータ改ざんや企業の不祥事から感じた◆いわゆる“空気”が職場を支配し、見て見ぬふりになる。この状況は「組織の論理」が優先され、異論を抑え、むしろ忖度を強いる。この最たる例が冒頭で引用した太平洋戦争末期、日本の軍中枢や幹部…