鈴木俊一財務相兼金融担当相は19日の閣議後の記者会見で、損害保険業界の制度や監督の在り方について専門家らで議論する有識者会議を金融庁に設置すると発表した。26日に第1回の会議を行う。整備業の保険代理店兼業問題などもテーマになる。保険業法の改正や監督指針の変更も視野に議論する。6月までに報告書をまとめるという。

 ビッグモーター(和泉伸二社長、東京都多摩市)の自動車保険金の不正請求を受けて、同社や同社と関係が深かった損害保険ジャパンが業務改善命令を受けるなどした。

 議論の最大の焦点は、ビッグモーターなどの大規模な販売業者が保険代理店を兼務できる制度をどうするかだ。保険販売量が多いため、損保側が不正請求に気付いていても厳しく追及できない「利益相反」の状態にあった。現時点では金融庁は「兼業禁止」には消極的だが、代わりに大型兼業代理店への「過度な便宜供与」を規制し、利益相反状態を改善したい考えだ。