スズキは6日、小型車「スイフト」を約7年ぶりに改良し、13日から発売すると発表した。歴代スイフトのデザインなどを踏襲しつつ走行性能に磨きをかけ、安全装備を充実させた。新開発のエンジンと無段変速機(CVT)を採用し、燃費を24.5㌔㍍/㍑(WLTCモード)と17%改善させた。年間3万台の販売を目指す。

 スイフトは、スズキの世界戦略車に位置づけられ、累計の世界販売は2023年10月末で約900万台にのぼる。同日のオンライン発表会で、鈴木俊宏社長は「スイフトの成長でスズキは大きく成長した。『ドライブ&フィール』という言葉を大切に開発してきた車だ」と振り返った。

 新型車は、ガソリン車の「XG」と、マイルドハイブリッド車(HV)の「MX」「MZ」の計3グレードを展開する。マイルドHVでは、国内向けで初となる5速手動変速機(MT)車をMXに設定した。海外にも投入する計画だ。

 スイフトのユーザーは約半数を20~30代が占める。デザインや足回りの良さを含む走行性能が評価されており、今回も一目でスイフトとわかるデザインを踏襲した。

 燃焼効率を高めた排気量1.2㍑直列3気筒の「Z12E型エンジン」を新たに開発して搭載した。CVTも刷新し、先代モデル用のCVTより1.9㌔㌘軽くした。「バッグドアサイドスポイラー」の採用や新形状の車体底部カバーなどにより、空気抵抗を先代モデルに比べて4.6%低減した。

 安全面では、同社初となるドライバーモニタリングシステムを採用した。カーナビゲーション横のカメラでドライバーの顔を認識し、居眠りや脇見などを検知するとブザー音やメーター表示でドライバーに警告する。

 価格(消費税込み)は172万7千円から。原材料の高騰や機能追加により「XG」では17万6千円の値上げとなる。5MT車のみ24年1月17日に発売する。