自動車保険金の不正請求問題で経営が悪化しているビッグモーター(和泉伸二社長、東京都多摩市)について、伊藤忠商事グループや投資ファンドが買収を検討していることがわかった。17日午後にも公表する。

伊藤忠商事と、子会社の伊藤忠エネクス、投資ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズの3社が組む。買収しても大丈夫かどうかを判断するための資産査定(デューデリジェンス)を行う独占契約を結ぶ。査定をしたうえで、最終的に買収するかどうか決める。

ビッグモーターは大量の不正請求を認めて7月25日に創業者の兼重宏行社長が会見。同氏と息子の宏一副社長(いずれも当時)が引責辞任した。8月以降、来客が激減し中古車の購入・販売も落ち込み経営が悪化していた。自力再建を諦め、10月ごろからスポンサー企業探しを本格化していた。

接触したことが判明した企業は、オリックスと、中古車店「ガリバー」を運営するイドムだが、イドムはその後支援を見送っていた。

ビッグモーターについては、国土交通省が道路運送車両法に基づいて同社の34店舗について事業停止などの行政処分を10月に出している。また、金融庁は保険業法に基づき、同社の保険代理店登録を11月30日付で取り消す方針を発表している。

(2023/11/17更新)