フロンクスはクーペスタイルとSUVを掛け合わせたクロスオーバーモデル

 スズキは、インドで生産するクロスオーバー車「FRONX(フロンクス)」を2024年中に日本で発売する。現在、販売しているSUV「エスクード」の受注を今春でいったん打ち切るため、品ぞろえを補完するとみられる。インドからの輸入車を日本で売り出すのは16年の小型車「バレーノ」以来となる。

 フロンクスは23年4月にインドで発売した新型車。今年1月には累計販売台数10万台を達成した。現地ではガソリンモデルとマイルドハイブリッドモデルを展開する。車体サイズは全長3995×全幅1765×全高1550㍉㍍。エスクードに比べ、全長が180㍉㍍、全幅が10㍉㍍短く、全高が60㍉㍍低い。トヨタ自動車の「ライズ」、ダイハツ工業の「ロッキー」とほぼ同等のサイズ感だが、全高をやや下げ、流麗なデザインのクーペとSUVを融合させたクロスオーバー車という位置付けだ。

 インドでは価格を74万6500㍓(約133万円)からに設定している。日本での発売は秋ごろになる予定。価格は明らかにしていない。

 同社がインド生産車を日本に投入するのは、16~20年に発売したバレーノに続き2車種目となる。当時、バレーノは国内での小型車販売増を目指す取り組みの一環として品ぞろえに加えた。

 スズキはインドの生産能力を増強しており、30年度までに年産400万台以上を実現できる体制が整う。インドの生産拠点を有効活用して、日本にも商品を順次、投入していく。今後は、電気自動車(EV)や「ジムニー」の5ドアもインドから日本へ輸出する計画だ。

 鈴木俊宏社長は「(インドの品質や技術力は)上がってきていると思うが、日本への輸出はまだまだ。日本品質が(グローバルで)一番厳しいが、インドからの輸出は格段に広がっていくはず」とした上で、「品質をさらに上げていく取り組みは(インドで)やっていかないといけない」と語った。

 同業他社でも、ホンダが3月にインド生産モデルのSUV「WR―V」を発売する予定だ。