バンドー化学は、長期ビジョン「ビジョン2050」と、2030年度を最終年度とする新中長期経営計画を発表した。26年度までを中長期経営計画の第1ステージとして、売上高にあたる売上収益を1200億円、コア営業利益(他社の営業利益に相当)120億円、ROE(自己資本利益率)を12%とする財務目標を掲げた。新規およびコア事業を中心に4年間で240億円を投資する。

 第1ステージでは「価値創造」「スマートものづくり創造」「未来に向けた組織能力の進化」の3指針を掲げる。自動車部品事業では、ベルト需要の減少を見越し、電動パワーステアリングシステム(EPS)やパワースライドドア(PSD)といった電動化対応製品の拡販や、電動二輪車用製品の開発に取り組む。ベルト以外では、車載タッチパネルディスプレーなどで採用が増えている「フリークリスタル」や、意匠性に優れた内装用の加飾フィルムといった高機能エラストマー製品も拡販する。

 15日に公表した23年3月期の連結業績は売上収益1036億円(前年度比10・5%増)、コア営業利益67億円(同14・5%増)で、前中期経営計画で掲げた目標には届かなかった。電動化や環境対応など重要課題への対応を迅速化し、目標の達成を目指す。