パブリック・セクター・ソリューション（AI検知システム）の概要
富士通は、AI（人工知能）を使って道路上の監視カメラ映像から車両の停止や混雑などを自動判定し、情報を交通状況を監視する道路監視員へ通知する「パブリック・セクター・ソリューション」（AI検知システム）を開発し、7月26日に提供開始したと発表した。AIが異常を検知することで、道路監視業務での初動対応を支援する。
AI検知システムは、道路に備え付けのカメラ映像を、AIのディープラーニング技術を使って解析することで、車両の停止や混雑、低速、逆走などの事象を自動検知する。異常を判定すると自動で道路監視員にアラームで通知し、迅速な対応につなげる。
AIの解析では、乗用車、トラック、バスなど、車種ごとに自動検知する。ディープラーニング技術によって、さまざまな条件の車両画像を教師データとして機械学習させることで、天候や昼夜などの外部環境に捉われず、カメラの画角などを設定することなく、旋回やズームしても、正確に車両を自動検知する。
定時間車両の位置に変化がなかった場合、停止し、一定数量以上の車両があれば渋滞と判定する。結果を道路監視員にマップ表示やアラームで通知する。今後は低速、逆走など、検知できる事象を追加していく予定。
国土交通省関東地方整備局様で、システムを活用して効果を検証した結果、天候や昼夜の影響を受けずに、画角が変わっても自動的にその画角に合わせて車両を検知するなど、高精度の認識率を確認したとしている。大型車が停車したことが原因で渋滞が発生した際、「停止」「混雑」を正確に検知できた。
同社では今後、AI検知システムに蓄積された異常事象の映像ライブラリから異常事象発生予測による未然防止や、事前に初動体制を構築するサービスを拡充する。
価格は500万円から。
