決算発表会見で完成検査不正を謝罪する鈴木修会長と鈴木俊宏社長(2019年5月10日)
鈴木修会長
鈴木俊宏社長

スズキが6月27日に開いた定時株主総会の議案で、鈴木修会長の取締役選任の賛成率が65.85%にとどまったことが関東財務局に提出した臨時報告書で明らかになった。鈴木俊宏社長の賛成率も69.85%だった。完成検査での不正に対して経営責任を問う声が強まっているためと見られる。

鈴木修氏は燃費不正問題を受けて2016年にCEO(最高経営責任者)職を返上したが、代表権を持つ会長を継続してきた。

2018年に完成検査での不正が発覚したのを受けて、第三者が原因などを調査してきた結果、今年4月に無資格者が完成検査を行っていたことや、データを改ざんして「合格」とするなどの新たな不正が見付かったことを公表した。スズキは2017年に国土交通省に対して、完成検査は有資格者が実施していると虚偽報告していた。

これを受けて鈴木修会長は本人の申し出で2019年7月から1年間無報酬、鈴木俊宏社長は役員報酬を6カ月間、50%減額するなどの処分を発表したが、鈴木修会長、鈴木俊宏社長ともに経営トップは現職にとどまっている。

株主総会の第2号議案で取締役8人の選任で、鈴木修会長の取締役選任に133万9865個が反対、鈴木俊宏社長に117万6123個が反対したが、賛成が過半数を超えたため、可決された。他の取締役6人は、原山保人氏の賛成率が82.02%だった以外は、90%以上の賛成率だった。