益子会長

三菱自動車は6月21日、東京都港区のホテルで「第50回定時株主総会」を開催し、カルロス・ゴーン氏が取締役を退任するとともに、代表執行役CEO(最高経営責任者)に就任する加藤隆雄氏の取締役就任を決議した。12年間にわたって同社のトップの座にあった益子修氏も同日に代表執行役会長となってルノー、日産自動車とのアライアンスのみを担当する。電動化や自動運転などによって自動車業界が大きく変化する中、新しい経営陣は規模拡大を追求せず、競争力のある分野に集中する戦略に軌道修正して生き残りを目指す。

「small but beatiful(スモール・バット・ビューテイフル)」―激変する自動車業界で三菱自が生き残るために掲げたキーワードがこの言葉で、規模は小さくても、利益率の高いことを意味するという。電動化対応や自動運転など、自動車メーカー各社は次世代車の先行開発投資を迫られており、固定費が増加、収益を圧迫している。潤沢な開発投資を持つ規模の大きな自動車メーカーが有利だ。三菱自がここで争っても勝てないと開き直って、規模拡大による成長から、競争力のある地域、セグメントに集中することで収益力を高めて「健全で持続的に成長する」(益子会長)戦略に転換する。