先進運転支援システム(ADAS)搭載車のカメラやセンサー類の機能をチェックするエーミング(機能調整)を効率的に行う機器やシステムが登場している。以前は測定の基準となるターゲットを設定するだけで時間と手間がかかっていた。ADAS搭載車の増加によりエーミングの需要は今後高まる見通しで、作業性の高い機器の導入により作業負担の軽減が期待される。エーミングに積極的に取り組む整備事業者では、自動車メーカーの純正スキャンツール(外部故障診断機)も積極的に導入しており、ADAS搭載車の受け入れ態勢を強化している。
エーミングには部品メーカーも着目している。独マーレが2022年に国内に投入した「マーレ デジタルADAS2.0」は、特許技術の「キーストーン・テクノロジー」により、通常30分~1時間程度かかるターゲットとの距離計測作業を最短5分で行えるようにした。また、ニフコは26年2月、エーミングのターゲットの設置位置を計測する位置出しの作業を支援する「ソロセット」を発売した。同製品も5分程度でプラスマイナス5ミリメートル以内の精度でターゲットの位置出しを行える。
マーレはここ数年、アフターマーケット向けの製品に力を入れている。日本法人のマーレジャパン(木下靖博社長、東京都豊島区)は、「安定的な収益につながるため、経営において重要」という。ニフコも新規事業として着目し、自動車部品で培ってきた知見を生かした製品開発を進める。両社は外部の整備関連の展示会を活用して製品をアピールするとともに、整備事業者との関係を築いてきた。
自動車業界などに技術情報を提供するシイエム・シイは、22年4月にエーミング作業支援アプリ「楽々エーミング」を発売した。同社によると、エーミングに要する時間の70~80%はターゲットの位置出しに関する作業が占める。同アプリは位置出しの作業負担軽減に特化していることが特徴で、導入したグループ会社の府中自動車(谷貝勝人社長、東京都府中市)は「修理書を見なくても(ターゲットまでの)距離や高さを調整できるので、作業時間を短縮できた」(岡田哲工場長)という。
エーミングの準備を効率的に行う製品が登場する一方、作業自体を外注する事業者も少なくない。宮田自動車商会(宮田祐市社長、札幌市中央区)は、19年秋にエーミングの請負事業を始めてから累計6700台(26年6月末時点)の作業を行ってきた。当初は車を集めるのに苦労したものの、メーカーの純正スキャンツールを導入して積極的に需要を取り込んできた。
オートバックス次世代自動車研究所(上松禎知社長、千葉県浦安市)は自動車メーカーが車両のセキュリティーレベルを引き上げたことを受け、23年に純正スキャンツールを導入した。上松社長は「エーミングを効率的に行うためには設備投資が不可欠だ」とする。ただし投資額は小さくないため、入庫が多いメーカーの車を把握することで、投資の優先順位を付けられるとしている。
整備戦略9月号では特集「エーミングを恐れるな」を掲載します。



















