2024年のOBD(車載式故障診断装置)検査に続き、25年も特定整備制度における必要な設備要件の一部緩和や訪問特定整備制度が始まるなど、大きな制度変更が行われた。車体整備では、事故車の修理費用の算定基準に焦点を当てた動きが目立った。また、最新の技術への対応や業務の省力化のために、設備投資を行う動きも活発になっている。26年もさまざまな変化を踏まえた取り組みが求められている。
機械工具各社によると、設備投資に積極的な事業者は業務効率化のため、新たな整備機器を導入や古くなった機器の入れ替えに前向きだ。それも高性能の機器を求める傾向にあり、1台当たりの単価が上昇しているという。
ここ数年の話題になっているのが、夏の暑さ対策だ。昨夏も厳しい暑さに見舞われた。整備士が快適に仕事をするための取り組みは、従業員満足(ES)や人材確保の観点から欠かせなくなっている。整備工場の構造上、エアコンの導入が難しい事業者は多いことから、ファン付きの作業着やスポットクーラーといった機器の導入が進みそうだ。
本格運用の2年目に入ったOBD検査は、不適合が出た場合の対応が焦点となる。対象車両は約566万台(25年11月時点)まで増え、輸入車の本格運用も始まったことで、今後もさらに拡大する見通しだ。
新車販売に力を入れている整備事業者であれば、今後、初回車検で入庫するほとんどの車両が対象車となる。不適合だった場合、適合させるための整備を行わなければならず、場合によっては外注を含めた対応が求められる。指定工場における不適合率は通算で3.6%(第5回OBD検査モニタリング会合の資料)だが、考えられる限りの事態を想定しておく必要がある。
車体整備では国土交通省が損害保険会社との価格交渉における指針を取りまとめるとともに、標準作業時間の調査に乗り出した。日本自動車車体整備協同組合連合会(日車協連、小倉龍一会長)も25年度、独自の塗装工数の検証を行っている。検証の対象や目的は異なるものの、修理費用の算定基準に焦点を当てている点では共通している。今年、それぞれの結果がとりまとめられることで、今後の適切な値付けにつながることが期待される。
事故車修理の費用をめぐっては、日車協連と大手損保会社との初の団体交渉が行われ、昨年合意に達した。合意の内容は損保会社によって異なるものの、各地の車体整備協同組合に加入する組合員が、損保会社と交渉する際の一助となるものだ。
車体整備事業者の仕事は車の機能や素材が変わっても、入庫した車を新車と同等の状態に戻すという点では変わらない。作業の透明性も求められ、引き続き、修理過程の証拠を残すことも求められる。自社の仕事や事業者自身を守ることにもつながることから、今年も継続した取り組みが求められる。
加えて、26年も補修用塗料や資材、整備機器の値上がりが予想される。その中で、適切な対価を得るための努力は欠かせない。
整備戦略2月号では特集「2026年を迎え撃つ」を掲載します。




















