ホンダは21日、上級セダン「アコード」を全面改良して2024年春に発売すると発表した。国内のホンダ車として初めて先進運転支援システム「ホンダセンシング360」や、グーグルのコネクテッド機能「グーグルビルトイン」を採用した。12月に先行予約を開始する。日本ではセダン市場の縮小もあり、ホンダの国内販売は軽自動車やコンパクトカーなど、単価が低いモデルの比率が高くなっていた。今冬復活させるミニバン「オデッセイ」とともに、アコードも全面改良することで、上級車の販売比率を高めていく考えだ。

 11代目となる新型アコードは、「ドリブン・バイ・マイアコード」をコンセプトに最新技術や先進装備を充実した。ホンダセンシング360は、約100度の有効水平画角のフロントカメラに加え、前部と各コーナーに5台のミリ波レーダーを搭載。車線変更支援機能や車線変更時衝突抑制機能、前方交差車両警報といった機能を追加した。

 また、「グーグルプレイ」に加え、音声認識機能「グーグルアシスタント」などの車載向けコンテンツにも対応。地図アプリの「グーグルマップ」を車両のメーターパネルに表示することも可能。安全機能だけではなく、乗員の使い勝手も高めた。

 ホンダのセダンの保有台数は1980~90年に100万台近くあった。しかし、20年2月に発売した現行アコードの販売台数は、年間2千~3千台程度にとどまる。全面改良を機に、国内モデル初の先進機能を搭載するなどして商品競争力を引き上げ、販売をテコ入れする。

 新型アコードは現行と同様にタイで生産する。