学生は楽しみながら作業をこなした
ボンネットの塗装はマツダの車名から着想したデザインを採用

 花壇自動車大学校(角川重博理事長・校長、仙台市青葉区)は、1991年式のマツダ「サバンナRX‐7」をレストアして展示する。同校ボディクラフト科の14人が中心となり「エモーショナルロータリー」をテーマに作業を進めた。近年、人気の高まる旧車のスポーツモデルを、現代的なデザインも取り入れつつ復元。来場者の心に訴えかける「エモい」1台に仕上げた。

 車両は購入時、レース競技で使用するためのカスタムが施されていた。学生は復元の方向性を決めるための議論を重ね、生産当時の姿を再現することを決定。オリジナルのスタイルを残しつつ、ボディカラーやペイントに学生の感性を取り入れ、新たな魅力を発信する。

 手を入れる前は、エンジンはかかるものの、内外装の各所が損傷している状態だった。下回りの錆やフェンダーの一部が切り取られるなど、特に外装は傷んだ部分が多かったという。車体の7、8割のパーツは手を加えると利用できることが分かったため、パーツを丁寧に修復した。指導教官は「部品を取り寄せて交換することもできるが、補修することで学生の技能取得につなげた」という。

 作業はエンジン、足回り、内装、外装の4グループで、手の空いた場合は相互に協力し、メンバー以外の学生も加わることで効率的に進めた。それでも完成までに4カ月以上の時間を要し、学生は「工程が進むたびに、新たな課題が出てきた。わからないことも多く、ネット検索や先生に相談しながら進めた」と試行錯誤の連続だったことを振り返る。

 授業とは異なる条件で作業に取り組み、普段以上に時間や仕上がりを高い水準で追求した。レストアを通じて技術に加え、プロとして顧客の車両を預かった際の心構えや緊張感も学んだ。車両はオートサロン終了後、同校で展示される。